茶道のお茶ではなく、ふだんに使う日常茶に関する基礎的なウンチク情報です。個人的に、これだけは覚えておきたいと思っていることばかりで、じつは自分自身のための覚書も兼ねています。お茶好きなあなただったら、ほとんどご存知のことばかりかも知れませが、おさらいのつもりで気軽にお付き合いのほど。
※一応、事典や公的なホームページなどで調べてありますが、わかりやすくするために表現をシンプルにしたところもあります。私の勝手な思い込みで間違っている個所があるかも知れません。おかしいと思われたら、即ご指摘・ご連絡をお願いいたします。
※主な出典「緑茶の事典(柴田書店)」「おいしい<日本茶>がのみたい(波多野公介著)」「おいしいお茶がのみたい(波多野公介著)」「おいしい日本茶の事典(誠美堂出版)」他、お茶関連ホームページ多々 |
チャ ―カメリア・シネンシス―
●お茶(チャ)の葉は自然のままほうっておくと、ふつうの木の葉と同じく枯れたり腐ったり(発酵)してしまいます。ところが発酵によって人間が利用しやすい(飲んでおいしいと感じる)状態になると気づいたのが四千年前の中国人で、そこから今日の緑茶が生まれました。
●お茶のことを学術的にいう場合、「チャ」といいます。「チャ」は、亜熱帯原産、永年性の常緑樹、ツバキ科ツバキ属(ツバキやサザンカと同じ仲間)で、年平均気温セッ氏13度以上、年降水量が1500ミリ前後の弱酸性土壌、亜熱帯気候の比較的温暖な地方に分布しています。
●発祥の地は中国雲南省南部の山岳地帯で、そこから世界に広がりました。大きくは中国種(バラエティシネンシス)とアッサム種(バラエティアッサミカ)の2系統に分けられますが、品種的には無限に広がり続けています。
しかし、厳密に茶(チャ)と呼ばれるものは、植物学上の学名「Camellia Sinensis(L) O.Kuntze(カメリア・シネンシス)」の茶樹の葉や新芽から作られたものに限られています。世界中のすべてのお茶はこの「ツバキ科ツバキ属の樹」から採取されているため、「どのお茶も同じ茶葉でできている」と言われることもありますね。
お茶の種類
●お茶は、茶葉の“発酵の仕方”によって大きく3種類に分けられます。
○不発酵茶(緑茶)―日本茶 ※茶葉を発酵させないつくり
○半発酵茶―ウーロン茶 ※ウーロン茶にもいろいろ種類があるようです
○発酵茶―紅茶 ※日本茶と比べると匂いがきついのは茶葉が発酵しているからです
●中国茶(中国のお茶)は世界中のお茶のルーツ。主な種類は、緑茶、青茶(ウーロン茶)、白茶、紅茶、黄茶、黒茶(プーアル茶)の6種類。他に、花茶、工芸茶、緊圧茶などがあります。中国茶にも緑茶があり(というより、こちらのほうが元祖です)、製法は現在も釜炒りです。専門書やホームページがたくさんありますので、詳しくはそちらで。
※それにしても多種多様な中国茶ですが、「お茶」という言葉を使っているのに、なぜか「茶色」のお茶がないのは面白いですね。
もっとも、茶色のお茶だと「茶茶」となって少々面白すぎますが… |
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日本での品種改良
●よりおいしいお茶づくりをめざし、また生産性をあげるために昔から品種改良が積極的に行われており、現在、農水省の登録品種、種苗法による登録品種、各地で独自栽培されている品種と、その数は非常に多くなっています。
●その中で最も普及しているのが、明治45年に静岡県の茶農家で開発され、昭和30年代から急速に広まった農水省の登録品種、茶農林六号<やぶきた>で、現在はその「深蒸し茶」が一世を風靡しています。
日本茶(緑茶)の種類
●根本的な製法の違いとして、蒸し製と釜炒り製があります。現在の日本茶の99%は蒸し製です。「緑茶の事典(柴田書店)」より
○蒸し茶 …茶葉の発酵を「蒸す」ことによって止めています
煎茶(普通煎茶、深蒸し煎茶)、玉露、かぶせ茶、番茶、玉緑茶、てん茶、抹茶、
ほうじ茶、玄米茶、粉茶、茎茶、他
○釜炒り茶…茶葉の発酵を「炒る」ことによって止めています
番茶、ほうじ茶、玉緑茶、抹茶、玄米茶、粉茶、他
●釜炒り茶の生産量は日本茶のわずか1%程度(希少価値!)なのですが、それはすなわち“個性的である”ということです。といっても、昭和30年代ころまではけっこう多かったんですけどね。
●波多野氏はその著書「おいしい<日本茶>がのみたい」の中で、「各地の個性的なお茶を知り、その違いをいろいろ楽しむことが日本の文化である」ということをおっしゃっています。“文化”までいかなくても、私たち一人ひとりが自分なりにおいしいと思うお茶を楽しむこと自体が、豊かな暮らしを送るということではないでしょうか。私は運よく釜炒り茶に出会いました。あなたにもぜひ、こだわりの釜炒り茶を味わっていただきたいと思います。
●「お茶の種類」には、その観点・概念・次元・歴史などからさまざまな分類がなされています。上記の「蒸し茶」と「釜炒り茶」や、その下位の「番茶」「ほうじ茶」…などの製品分類だけでなく、商品名、産地、茶樹、品種、他、いろいろあるので、ちょっとややっこしいですね。今後、少しずつ整理してみたいと思います。
「お茶」「緑茶」「日本茶」の違いは?
●3つとも基本的には同じものですが、使われ方が微妙に異なります。あえて私見で分類してみますと、現代では、「お茶」はコーヒーなども含んだ広い概念で喫茶行為全体に用いられる(狭い意味では、お茶の樹の葉から作られたお茶のこと)、「緑茶」は紅茶などに対して“色”の違いを強調したい時に使う、「日本茶」は“中国茶”などの外国のお茶に対する言葉として使う、といった感じでしょうか。
お茶(茶葉)の色
●中国茶の、緑、青、白、紅、黄、黒などの名称に見られるように、お茶は茶樹の種類や茶葉の加工法、水色などによって色が異なり、それが種類名にもなっています。日本茶はもちろん緑茶に分類されますが、緑色といっても、厳密に見てみると、樹に茂っている時、摘み取った後の加工過程、店頭で売られている時、飲 むときのお茶の色(=水色)、使い終わった後と、その色は状況に応じて大きく変化します。
●釜炒り茶(ほうじ茶以外)の水色は一般に黄緑から黄色に近い感じ(右写真)ですが、これは「釜で炒る」という製法によって生じる現象で、茶葉自体は蒸し製と同じ緑色です。
日本茶の生産量
●日本茶の生産量は2000年度(平成12年度)で89,700トン、そのうち34,400トンが静岡県で作られています。※世界の茶の生産量は260万トン、そのうち緑茶(中国緑茶も含む)の生産量は50万トン。(静岡県茶業試験場 http://www6.ocn.ne.jp/~shizu-ca/report/report02.html)
県別の生産量※「おいしい<日本茶>がのみたい」2002年1月刊より
1位 静岡県(約40%)
2位 鹿児島県(約20%)
3位 三重県(約8%) |